2014年9月22日月曜日

triple negative乳癌

くtriple negative乳癌とは免疫組織学的にER, PR, HER2陰性の乳癌のことである。大部分はIntrinsic subtypeにおけるbasal like typeと言われている。
そもそも乳腺の上皮細胞は、管腔細胞(Luminal Cell)と筋上皮細胞(myoepitherial cell)からなる。そして、両者は基底細胞(Basal Cell)より分化すると考えられ、更に上流にはStem Cellがあると考えられている。Perouらが提唱した正常組織の分化についての概念図が左側に提示されている。(Prat A,  Perou CM. Nature Medicine 15, 842 - 844 (2009))
筋上皮と基底細胞は厳密に区別することは困難で、免疫染色のマーカーは共通し、p63、CK5、αSMA、カルポニンなどが陽性となるが、Estrogen ReceptorやProgesterone Receptorが陰性となり、管腔上皮と逆になる。


また、Lehman らはTriple Negative乳癌を6種類に分類。Basal like 1および2(BL1,BL2), mesenchymal (M), mesenchymal stem-like (MSL), immunomoduratory (IM), luminal androgen receptor (LAR)に分類された。
Luminal Androgen Receptorはアポクリン癌に多く、Androgenが陽性となる。比較的分化度が高く、増殖能が低い場合が多い。化学療法に抵抗性で、抗アンドロゲン治療が有用とされている。Andorogenの免疫染色での分類により、治療法の個別化を図ることが可能と思われる。
BL1およびBL2はTriple Negativeの多数を示すと考えられ、増殖能が高く、化学療法反応性は良好。
M/MSLはmetaplastic carcinomaが含まれると考えられ、PerouらのClaudin lowとも概念が重なる。
IMはmedullary carcinomaに相当すると考えられている。
Adenoid Cystic Carcinomaはこの中で恐らくBL1/2に入ると思われるが、通常より分化度が高く、化学療法の反応性は悪いと考えられている。

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